調べてみよう:火をおこす
現代では、マッチやライターなどで、かんたんに火をつけることができます。 こうした道具がなかった昔の人たちは、どのようにして火をおこしていたのでしょうか。
火うち式発火法 まいぎり式発火法 ほくち・つけ木をつくろう
火うち式発火法
― 人々のくらしの中でおこなわれていた火おこし方法―
●火うち式発火法でつかう道具
- 火うち石・・・鉄をけずることができるかたい石。めのうや石英、水晶など。
- 火うちがね・・・鉄。石とうちあわせて火花をだす。
- ほくち・・・出した火花をうけるもの。木炭など。
- つけ木・・・先に硫黄(いおう)などをぬったうすい木の板。
- 火うちばこ・・・火うち道具をしまっておくはこ。昔は一家にひとつおいてあった。
●手順
- きき手に火うち石、はんたいの手に火うちがねをもつ。
- ほくちの上で、火うちがねをけずりとるように火うち石をうちつける。
- 火花がほくちの上に落ちる。火種(ひだね)ができるまでこれを続ける。
- 火種ができたら、つけ木の先を近づけて、火をうつしとる。
まいぎり式発火法
―神社の儀式などでおこなわれてきた火おこし方法―
●手順
- 火きりうすの上に火きりぎねを立てる。
- ひもを火きりぎねにまきつける。
- はずみ板を上下にうごかして火きりぎねを回転させる。
- 木と木のまさつ熱で、けむりが出てくる。
- 火きりうすの穴からこげた木のこながこぼれ、その中に火種(ひだね)ができる。
- 火種につけ木の先を近づけて、火をうつしとる。
ほくち・つけ木をつくろう
※以下の作業はかならずおうちの人といっしょにおこなってください。
ほくち
火うち式発火法は、石と鉄をうちあわせて火花をとばして火をおこします。 しかし、ただとばしただけでは、火花はすぐに消えてしまいます。火花をほくちでうけることによって、火種をつくることができます。 ほくちには、木炭やがまの穂、きのこなどをつかっていました。ここでは、より身近な材料をつかって、ほくちをつくってみましょう。
●用意するもの
木綿の布(タオル、ガーゼなど)/ふたつきの空き缶(深めのもの)/マッチ/軍手
●手順
- 布をてきとうな大きさ(30cm角くらい)に切る。
- 切った布にマッチで火をつける。
- 長い金属のはしや棒などをつかい、空き缶の中で布をもやす。
- けむりが少なくなり、赤みのつよい炎になったら、そのまま空き缶の底に置き、すぐにふたをする。
- 冷えたら空き缶のふたを開け、取り出す。
※缶が大変熱くなります。やけどに注意してください。
つけ木
ほくちの上につくった火種は、そのままでは炎になりません。炎にするには、つけ木をつかう必要があります。 つけ木は、松などのうすい板のさきに硫黄(いおう)をぬったもので、火種に近づけると青白い炎ができます。
●用意するもの
うすい板(ボール紙で代用することができます)・硫黄(いおう)
●手順
- 大きな空き缶のふたなど、金属の板の上に硫黄をくだいて置き、コンロの火などであぶってとかします。
※必ず換気(かんき)をしながら作業をしてください。 - 板の先に、とかした硫黄をつけます。
- 硫黄がかわけばできあがりです。