たき木を燃やした灯火具

人類は長い間、焚き火を中心にした生活を営んできました。煮炊きや採暖と同時に、明るさもそこから得ていました。しかし、夜の行動が必要になるにしたがって、移動のできる焚き火も生まれました。

一番初めに用いられた専用の灯火は、燃えている一本の木の枝であったといわれています。それを束ねることによって、「たいまつ」となり、また、屋外のあかりとして「庭火(にわび)」や「かがり火」が灯されるようになりました。

このような焚き火のあかりは、はじめ自然にある木や草の類を燃やしていたのが、特に長時間よく燃えるマツやタケが使われるようになっていきました。とりわけ脂分の多いマツの根株「肥松(ひで)」を燃やした「ひで鉢」が広い範囲で見られ、農山村では明治時代の末頃まで夜なべ仕事などに使われていました。

 

たいまつの写真 ひで鉢の写真
たいまつ ひで鉢

ページ上に戻る